薬草コラム — 薬草暮らし

#野の草レシピ【野のたんぽぽシロップ】

  地面に咲く太陽、たんぽぽ。 今日はそんなたんぽぽのお花を使った、シロップをご紹介します。 みなさん、今日はどんな1日でしたか?糸島は久しぶりに暖かく、良いお天気で、幸せでした^^糸島に、お茶の発送をお手伝いしていただいている素敵な会社さんがあります。そちらのお庭は、お日様がよく当たる、無農薬ハーブガーデン。納品に伺ったら、ラベンダー、チェリーセージ、レモンマリーゴールドに、ローズゼラニウムふと足元をみたら、たんぽぽもあちこちで満開…!お好きなだけどうぞ☺️のお言葉に甘えて、ハーブ摘み...。今日は、急遽、ひとり野の草キッチン開講です。   たった5分でこれだけ..! ありがとうございました^^   今日作ったのは、【野のたんぽぽシロップ】。 夏蜜柑、レモンマリーゴルド、蜜柑の蜂蜜、たんぽぽ。 この順番で、香りと味わいが立ち上がる、幸せ色のシロップです。   気分が明るくなる色!   奥がたんぽぽ、手前がレモンマリーゴールド レシピ用意するもの水 100cc程度砂糖やはちみつ 適量 (今回ははちみつ大匙6くらい)夏みかん 1個くらい香りのハーブ ひとつかみ (今回はレモン・マリーゴールド) ※なくてもOK 、代わりにレモンバーベナやミント、レモングラス、ローズマリーなどお好みのハーブも使えます作り方1. たんぽぽの花を摘みとる   ポイントは、摘みたてを使うこと!あっという間にシュンとなってしまいます 2. さっと洗って、水を丁寧に拭き取る   3. 花びらだけを集める   4. 小鍋に水を入れ、湯を沸かす。砂糖を加え、甘く熱い砂糖水を作る (※1)   5. そこへ、香りのハーブを加える (一度ハーブをきゅっとにぎって、香りを立たせてから入れるとよい)   6. 一旦火を止め、5分程度蒸らし、砂糖水にハーブの香りを移す (※2)   7.その間に、夏みかんを絞っておく   8. 砂糖水にハーブの香りがうつったら、ハーブを取り出す   9. そこへ夏みかんの果汁を加え、再度弱火にかける (※3)   手絞りのジューサーです、何だかお気に入り   10. たんぽぽの花弁をふわっと加え、さらっと混ぜて、ひと煮立ちしたら火を止める (アクが出たらすくう)   11. あついうちに清潔な瓶に注ぎ入れる Your browser does not support our video. 以上で、完成です!炭酸で割っても、お湯で割っても、ジンとソーダで割ってカクテルにしても美味しいですよ^^(※1) 糖度と糖の種類は、用途と好みに合わせてください。さらりと飲み終えるシロップにするならば甘さ控えめ、長期保存したりジャム様にするならばしっかりと加糖してください。(※2) 香りがどのくらいで移るかは、ハーブの状態や種類によります。えぐみが出ない良い瞬間を見極めながら.. 薫って、味見して、やってみてね。(※3) 柑橘を入れることでシロップが酸性になり、腐敗しにくく、また色鮮やかになります。果汁を後入れするのはビタミンと柑橘の風味が壊れにくいように。最後、ひと煮立ちさせるのは腐敗しないようにです。   シロップって、実は便利な “中間地点”。   ここから、自由に、様々なところへとわたしたちを連れて行ってくれます。   例えば...   ・シロップを、少しとろっとするまで煮詰めたら、パンケーキ・シロップ   ・ペクチンを加えて煮詰めたら、コンフィチュール リンゴの皮や、柑橘の皮や種から、ペクチンを抽出し加えてください。 (参考: https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1530004592/) 市販のペクチン粉を使う場合は、(9)で加えてください。 刻んだ果実を入れて火入れしてもいいですね! ・熱が取れたシロップに、生蜂蜜を大匙1程度加え、毎日かき混ぜつつ常温で1週間程度、または、時折かき混ぜつつ冷蔵庫で数ヶ月ほど置くと、発酵してしゅわしゅわシロップ(※)   になります。 梅ジュースを作って置いておいたら、気付いたら発酵して、微炭酸!あれ、やや梅酒?! となった経験ありませんか?あれを意図的に美味しく作る感覚です。   - (※) このような発酵シロップ、特に野草を使った発酵シロップを、‐ suu ‐では#銀河シロップ...

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野点(のだて)、焚き火、野生の果実...

天然の雑木林は、美しい。 広葉樹は爽やかにその葉の間から木漏れ日をゆるし、 落ちた葉は豊かな植生を育む。   さまざまな根が地中深くを往き交い、 踏みしめるとその柔らかさに驚く。 その緑が、根が、沢をつくる。 こんな場所には、深呼吸と、 湧き水で野点、焚き火が似合う。 ニッキの木をくり抜いてつくった茶筒に よもぎだけのお茶をいれて、籠に入れて持っていった。   湧き水を汲んで、焚き火で沸かして 沢の音をききながら、よもぎと、ほんのりとニッキ香るお茶を淹れた。 うららかな、秋晴れの山。   木々には、色とりどりのキノコがいました。 どこを切り取っても、自然の絵画のようで、夢中でシャッターを切りました。 目をこらすと、落ち葉の間には、さまざまな秋の実りが落ちていて まさに宝探しのそれは、いくつになっても心が踊ります。   みなさん、これは何が落ちているか、わかりますか? 答えは、小さな小さな野生のキウイ、サルナシ。 今がまさに、完熟。   猿が食べるナシだから、サルナシ、らしいけれど 梨というよりも、小さなキウイそのもの。   サルナシは、以前もご紹介したマタタビの仲間で、 どちらもマタタビ科マタタビ属。(キウイも同じ)。 マタタビに、つるや葉の感じも似るけれど、より一層高いところにあり、手が届かない印象。葉っぱも少し分厚いような気がします。   今回は、落ちたサルナシを20個近くを見つけることができました。 こんなにたくさん拾えたのは、はじめてで、とても嬉しく思っています。 毎年こうやって、ほんの少しずつ、 自然に懐を開いていただいている気がします。 この赤い丸くつぶつぶした実は、わかりますか? ちょっと変わった形のこちらは、ヤマボウシ。   明るい朱色の果実、中はマンゴーのような色合い。 食感はどこかグアバのような粒感と、ポポーのようなねっとり感... なんだか不思議な果実です。   ヤマボウシは、ミズキ科ミズキ属。 街路樹によく使われるハナミズキの近縁種で、 ヤマボウシも同様に街路樹として使われます。 東京の自由が丘駅のロータリーにもありますから、よかったらみてみてくださいね。 立派な果実も実りますよ!(もちろん、味見済み。笑)   今回はじめて出会った植物もいくつか。 まずは、ノササゲ。 この美しい紫色のさやをもつマメ科の植物です。 なんて美しいんだろうと... 思わず、なんどもなんどもうっとりと見惚れてしまいました。 リースとして楽しみます。   そして今回の目玉はなんといっても 「つちあけび」。 アケビ、といえど、ラン科ツチアケビ属の植物で、あの蔓のアケビとは全く別種。   知識としてその存在は知っていましたが、実際山の中で突然出会った時は 驚き、感動、そしてその気味の悪さから思わず叫びました。笑   ツチアケビは、日本の固有種であり、腐生(ふせい)植物です。 腐生植物とは、葉緑体を持たず、自らで光合成ができないため、菌類と共生し栄養素を得て生きる植物のこと。 このツチアケビの場合は、ナラタケをその根の中に取り入れて共生しています。(不思議...) そのルックスから、ツチトウガラシとも呼ばれるようです。   果実は、甘みと苦味と特殊な匂いが共存しているため、食用にはされませんが、立派な薬草。 土通草(どつうそう)と呼ばれ、江戸時代から、滋養強壮や利尿薬として用いられてきました。   乾燥させてお茶に、リカーに漬け込んで薬草酒に。 醤油に漬け込むという話も聞いたことがあります。 すべて試してみる予定...! (薬草リトリートやワークショップでいらした方には振る舞いますね。) この日は、同じく腐生植物である、ギンリュウソウモドキや...   美しく鈴なりの果実をつけた、イヌガヤにも出逢いました。 イヌガヤは、イチイ科イヌガヤ属の針葉樹であり、その果実は甘く、可食。 種からはイヌガヤ油がとれ、その油は凝固点が低いため、昔、冬の神事には欠かせぬ燈油だったとのこと。 また、イヌガヤの葉からは慢性骨髄性白血病の治療薬であるホモハリングトニン(タンパク質翻訳阻害剤として機能)が抽出されます。   イヌガヤに近しい、イチイの樹皮からは、タキソール(微小管に結合して細胞分裂阻害剤として機能)という抗がん成分が抽出されることは有名な話ですから、この科には腫瘍系に関連する成分が多いのかもしれませんね。 ほかにも、クロモジの真っ黒な実、山栗、 手のひらに収まらないほど大きなあけび、 大小様々などんぐりを拾って...、ほくほくと帰路につきました。   -   日々、生きていると、色々なことが起こります。   そして自然はいつも優しいわけではなく、時には脅威ともなります。   でも、それでも、どんなときでも、 わたしたちは地球の上に暮らし、自然の営みの中で生きています。 大地から、水から、空気から、緑から、離れて暮らすことは、できません。   ほんとうに、母なる地球に抱かれ、生きることを許されているだけの、ちいさなちいさな存在。   だから明日も、どうか。...

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よもぎの蕾、満月、秋の訪れ

またこの季節がやってきます。よもぎの蕾ー。アンティーク・シルバーみたいな、愛する、霞みがかった アルテミシアン・グレー。 空いっぱいに飛ぶ、とんぼのなか、振り向くと、あたり一面、よもぎでした。海を見下ろしていた、そんなよもぎの蕾たちを今日は、花束にして、抱いて家へ。 夏日だった糸島、でも、もう野は完全に秋。あけびの青い実、アオツヅラフジの青い実、ノイバラの青いローズヒップ…季節の移ろい以上に鮮やかなものは、果たしてあるのでしょうか? …来週は、満月です。.この満月の夜に、月の光だけに導かれて、静かに白く浮かび上がる、蓬の蕾を摘みます。普段の柔らかな葉とは全く違う存在感を纏った、この植物を。銀色に、白さを帯びたその姿はこれから花を咲かせ、そしてやがて次の世代を掬ぶため冬枯れしていくよもぎのある意味、最後の晴れ姿のよう。とても美しく…とても清々しく。「個」ではなく「種」の存続を、淡々と、粛々と繋いできた逞しい命の歴史をわたしは感じます。 Tthe season of blooming yomogi is almost there.Yomogi buds are bit white and grayish - and I truly adore this “Artemisian gray”, reminds me of antique silver.Fullmoon is coming next week. On this day, I will go outside at night, without any light in my hands.I know the moon will guide me to the yomogi buds - They reflect lunar light and stand so beautifully in the field.

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霧と山 - ネムノキ

あまりに美しくてどうして良いか分からない霧の日だった。 ネムノキ。 終わり終わりの最期の花の時期。 霧深い森の中で出逢うと さながら、淡い紅色の妖精が降りてきたよう。 ネムノキ マメ科ネムノキ属 その名は、夜になると葉が閉じる 「就眠運動」に由来 中国においては、夫婦円満の象徴 樹皮と葉は 「合歓」という精神安定の生薬 よく歌に詠まれる花は 不思議な甘い香り、 でも転写できない香り、 浸すとじんわり水を朱色へと染める花。 今はいろんな技術が発達しているから 無理矢理にでも香りを閉じ込めたり ケミカリーに復元したり ちいさなプラスチック粒子をつかうことで長く香らせることもできるけれども そうしないのが心地よい、 そうしないのが敬意な気がする Your browser does not support our video.  風が吹くと木は、まるで呼吸するみたいに下から上へとゆっくりとふうわり膨らみ枝葉を鳴らす。それはもう何もまるで敵わない美しさ山と木と私しかいないところでそんな薫り、こんな姿を目の前にするともう息をするのを忘れてしまうか、この感動を一粒だって逃すまいと目を閉じて深呼吸をするかの、二つに一つ良かったら、音を出して、山の音、聴いてみてくださいOn one beautiful, almost unforgettable misty day in the woods, I met flowering Nemunoki -. Nemunoki, means “sleeping tree.” Its leaves slowly close during night time... Please turn the sound on- hope I can share some beauty of mountain with you.

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