薬草コラム — 薬草暮らし
今あるもので、今すぐに。 - 薬草足湯のススメ -
身体と心は深くリンクしている 最近私は、「この人といると(これをやっていると)、わたしは暖まるだろうか?冷えるだろうか?」 そんな観点から自分を観察していたりします。 何だか緊張する相手(や物事)だと、手足足先がきゅうっと冷たくなって、肩が上がり、心もぎゅっと閉じ、 逆に本当に心許せる人(や物事)とは、ハートがふわりと開き、血が心地よく巡る感覚があります。 顕在意識でそう気づいていなくても、 深いところで相手と波長が合っているのかどうかは、身体がヒントをくれる気がします。 自律神経による身体反応、と一言で片付けることもできますが、 心と身体は、面白いくらいリンクしているなぁ、としみじみ感じます。 心が先で、後から身体の反応がついてくることもあるし、 逆に、身体を先に整えてあげることで、心をプラスに引っ張ってあげることもできます^^ 冬の身体と心 冬は寒さでどうしても縮こまりがち。 肩がまるく内側へと入り、首も前に出て、猫背に。 猫背になると、呼吸が浅くなり、 そして呼吸が浅くなると、思考も狭まりやすくなります。 心がつらいとき、 もうすでにいっぱいいっぱいの心からアプローチするのではなく、 まず身体から整えてあげることは、とても大切なことだと常々思っています。 そんな時に淹れる、一杯のお茶の力、その10分間がくれる励ましの偉大さこそ、 私が薬草茶を介してみなさんと共有したいことなのですが、 今日はお茶だけにとどまらない、ほっと暖まる冬の薬草セルフケアをご紹介します。 [ 薬草とハーブ、スパイスのfoot bath ] テーマは、「今あるもので、今すぐに。温めること、心地よくなること。 」 ハーブに詳しくなくても、 野草が摘めるところに住んでいなくても、 簡単に今すぐにできる、心地よさ。 ああ、ちょっとしんどいかな? と思ったら、深くぐるぐるするまえに、さっと足湯で温まってみてください^^ (湯冷めだけ、しないでね〜!レッグウォーマー最強!) きっと、思った以上に緩みます。 用意するもの 入れ物 (洗面器でも、なんでも。お湯と足を入れられるもの。) ドライハーブやスパイス類 生のハーブ類 ドライハーブは、 古くなってしまった各種お茶やハーブティー(リーフでもティーバッグでも) 使い切れなかったスパイスなど (シナモン、ジンジャー、ホールの胡椒、八角 etc) 茶殻 (suuのお客様は茶葉をとっておいて、最後ふりかけにしたり、お風呂に入れたり、足湯にいれたりしてくださっています^^) など。つまり、なんでもいいのです。 (これを書きながら私は、古くなったお紅茶ティーバッグ、やわやわになったカボス、ドライフラワーにしていたよもぎやイヌタデ、今朝飲んでいた[月のよもぎ茶]の茶殻をいれた足湯を楽しんでおります) 生のハーブは、 ローズマリーなどのキッチンハーブ みかんの皮など 柑橘のタネ (ペクチンでとろみがついて保温&すべすべ) 冷蔵庫の中のちょっと余った生姜など 野に出られる方は、野草 (今の時期なら、よもぎ・びわの葉etc) 野草の花びらも、純粋に心が躍ります^^ (今なら、たんぽぽやノゲシ、さざんか、椿の花など) 天然塩や、エプソムソルト(塩化マグネシウム)、日本酒、漬け込んでいる人は余ったチンキも良いですが、あくまでさっと入れられる場合は、です。 考えすぎないでね^^ ドライハーブだけでも、生のハーブだけでも、お塩だけでも、 さっき食べたミカンの皮だけでもいいですよ! やり方 容器にドライハーブを入れ、沸かしたばかりの熱湯を注ぎます。 ドライハーブや茶葉から色や香りが出てきたら、次は生のハーブを。 大きいものは、ざくざくカットしてあげると成分が出やすいです。 はじめから適温で入れるよりも、まず熱湯で成分抽出するのがミソ。 そこへ水を加え、心地よい温度へと整えます。 色を楽しむ生の花びらは、最後に加えます。 お持ちの方は、好みで精油を少量加えても^^ 私はジンジャーの精油を1滴垂らしたりしています。 あとは、もうの~んびり、足をお湯に浸けるだけ。 すると不思議、足が温まると同時にカッカしていた頭の熱がとれてきたり、(いわゆる頭寒足熱) 意識が頭からハートへ、ハートから丹田へと落ち着いてきたり。(いわゆるグラウンディング、“肚落ち”) 時に、ふっと昔の感情が蘇ってきて、「ああ、あの時ないがしろにしていた感情が、今のこの辛さの根っこだったんだな」と気づいたりします。 今の時期はすぐにお湯が冷めてしまうので、楽しむ時間としてはものの数分だと思うのですが、 逆にいうとたった10分あればできる、確実に心身に効く、心地よいセルフケアです。 ぜひ、お試しください! with love...
薬草と野の花の手鞠寿司
あけましておめでとうございます 去年は- suu -を通じて、たくさんの出逢いがありました。 ただただ、感謝しかありません。 まだまだ至らぬ点ばかりの私ですが、 今年も魂込め、心を込め、人生をかけて、 愛するお茶、薬草とともに、ふわり、歩んで参ります。 せっかくこの世に生を授かりました。 私が持ちうるものを使い、この世に愛を循環させ、 何かを還元していけるような生き方ができたら幸せだな、と思います。 今年もみなさま一人一人にとって、素晴らしい1年となりますように…! 本年も、よろしくお願いいたします。 さて、今年一発目のコラムはレシピコラム^^ 薬草と野の花の手鞠寿司 今の時期にいただける、色とりどりの野の花や野草をあしらい、 福々しく可愛らしいお祝いの一品を。 これ一つあると、テーブルがぱぁっと華やかになります! 年始にはもちろん、ちょっとしたお祝いや、こどもたちと楽しみたい時にもおすすめです。 作り方 お好みのご飯を炊く お好みのお酢で酢飯を作る ひと玉45g程度のご飯をとり、ラップで丸く握る 具材やあしらいをのせて再度丸く握る 以上!とっても簡単です。 お酢の代わりにごま油や炒め菜っ葉、すりゴマでも良いですが、少しお酢の水分が入ったほうがお米同士がくっつかず滑らかです。 今回私は、秋に仕込んでおいた自家製の柿酢を使いました。 ツンとした酸味がなく、控えめな甘味もある、ふくよかなお酢。 作り方は簡単、完熟の無農薬柿を、ヘタごと、まるごと、潰しながら瓶などに入れて常温でおくだけ。 表面にたくさんの酢酸菌がついているので、洗わずそのまま常温熟成で醸造されます。空気に触れる面積が多いとカビやすいので、バットよりも瓶をおすすめします。 越した後の果実や表層の産膜酵母は「マザー」(スターター)なので、捨てずに冷凍してとっておきます。 かつお菜巻きには、絞っておいたゆず果汁をお酢代わりに使いました。 (そう、いただいたたくさんの柑橘はいつも全部絞って1年かけて少しずつ使っています) こうして野に出て30分、帰宅して30分。 1時間ほどで出来上がったのは... 上段左から 柚子胡麻ご飯 | かつお菜巻き、スライス金柑 ハコベご飯 | 山茶花の花びら酢漬け、冬苺 シンプル柿酢飯 | 雪の下の新芽とエゴマ味噌 下段左から 紅花ご飯 | 寒菊とツワブキの花、姫ツルソバ 金ごまご飯 | 蓮根の金柑オイルマリネ、ハコベ花と紫酢漿草(ムラサキカタバミ)の花 ハコベご飯は、柔らかな摘みたてのはこべを塩水で一瞬湯がき、みじん切りにして混ぜます。旨味のつよい野草なので、炒めず一度、そのままでぜひ! 紅花ご飯は、一緒に炊けば黄色くなり、サフランライスのようになりますが、今回は橙色を楽しみたくてドライ花びらをそのまま和えました。 (紅花、妊婦さんには使えないハーブなのでご注意くださいね。) 山茶花の花びらは、アク抜きして、少しお出汁を加えた三杯酢で酢漬けにしたもの。色あざやかで、重宝しています。山椿も同様に酢漬けにできるから、それで楽しんでも素敵です。 他のアイディアとしては.. これからの時期にたくさん出てくる「浜大根」を使って、浜大根の菜っ葉ご飯に、浜大根のお花 (薄い紫色です)で丸くしても可愛いし 山あいに住んでいる方ならば、ガマズミを絞ってお酢代わりにしても、きっときれいな紅色ご飯になるはず (ガマズミって?という方はこちらから探してね) 冬の野いちご、冬苺もお酢を甘酢代わりにしたり。その時は生ハム巻きかな... 海沿いの方ならば、さっと湯がいたツルナ(アイスプラントの仲間の、肉厚の野草) × チーズなど! よもぎバターご飯もきっと美味しい・・・! (これはみんなできるね^^) ごま油や、ごま油で炒めた菜っ葉や野草をまぜ入れて、お海苔で巻いて、オイル握りにしても。 エゴマ味噌 ちなみにエゴマ味噌は、土鍋でパチパチえごまを乾煎りし、 すり鉢ですったら、適量の本味醂と、お砂糖、お味噌を入れて混ぜるだけ。 ご飯にもお餅にも合いすぎて止まらない危険な一品! 蓮根の金柑オイルマリネ 蓮根の金柑オイルマリネは、皮をむきスライスした蓮根をお酢をたらしたお湯でさっと湯がき、酢入りのお水で白く締めます。 そこへお好みの果汁、適量の塩、オリーブオイルを混ぜたもので和えなじませ、最後に柑橘のスライスとピールをたっぷり削りかけたら出来上がり。 柚子や金柑を使うと和風に、レモンを使うと洋風になります。 洋風のなますとして、お正月料理の箸休めとしても。 こんなの作ったよ!というアレンジがあれば、ぜひFBやインスタグラムで教えてくださいね^^ では引き続き、穏やかな新年をお過ごしくださいませ! 今年一年も、あなたの心身が暖かく緩まり、満たされますように。 愛を込めて - suu - | 薬草ハーバリスト Miho...
滋味深く。- 薬草リトリートと野草ランチ -
本日は、11月最後の、薬草リトリート。
はるばる大阪から…ありがとうございます。
お天道様もちゃんと見ていてくれて、野を歩いていたら、すぐ近くの畑の方とふと話すようになり、掘り立てのお大根や色々な葉物をいただいたり、私たちの野草散策が終わるぎりぎりまで雨をふらさずにいてくれました。
途中、マキの実をみつけておやつ代わりにしたり。飾りましょうと、野茨の実をとり、食用にはできないけれども、美しい青葛藤や雀瓜をリース用に、、お化粧クリームにしましょ、と、ヘクソカズラをとったり、、童心、ひたすらに童心。ああ、楽し。
そして、本日のメニュは、ええ、とても滋味深く。○ 摘みたてのよもぎと月桃の塩麹茹鷄 / 練胡麻と自家製醤油麹と犬芥子の花と
○ 塩麹茹鷄で作る、たっぷり薬草の滋味スープ /野蒜、花咲き種漬花、犬芥子、芹、三つ葉
○ お櫃ご飯 / 無農薬玄米と赤黒の古代米、少しむかごも
○ 大きな蕪とツワブキの花、三つ葉の鰹節和え
○ 枇杷の葉で蒸篭蒸し /芹、栗南瓜、三つ葉、紫大根、人参、蕪
○ いただいたばかりのレタスに、色々な秋の薬草花 /ツルソバ、ヨメナ、姫女苑、石蕗、蒲公英。醤油麹とよもぎオイルのドレッシングで
○ アペリティフには、薬草と無農薬果実の銀河シロップ / ヨメナの花びら、石蕗の花びら、真っ赤なガマズミとサネカズラも浮かべてお出ししました。
今回のこの銀河シロップには、たっぷりの山葡萄、葡萄蔓、桑の実、ガマズミ。種々の薬草。無農薬の完熟かぼす、祖父の作る柚子に青なつみかん、ハーブには満開のレモンマリーゴールド。デザートタイムには、よもぎチャイと、色々なジャムを楽しみながら。銀木犀、金木犀、ガマズミ・はまなす・柘榴のジャム、エビヅルのシロップ。ああ、美味しい・・沁みる・・・と二人で何度も言い合いながら。なぜでしょう、こういう食事は本当に肚の底から私たちを安心させてくれます。
心がつらいとき心が忙しいときすでにいっぱいいっぱいの心からアプローチするのではなくてまずは細胞ひとつひとつ、からだから整えてあげる。食べるもの、噛むこと。うごくこと。呼吸すること、すっと背筋を伸ばして胸をひらくこと。きちんと眠ること、心地よいものだけ触れること。それって、とてもとても大切な自分への優しさな気がするのです。
https://tes-suu.com/pages/retreat
i love you, autumn. -彩り、実り-
秋は心が感動で忙しい。
書きたいこともたくさんあったのに、それよりも、朝一番からの透き通った青い空に、日中、たまに見せる色っぽい雲に、紅葉色の夕日に、大きく輝く月に…ほう・・・っと、朝から晩までため息に深呼吸、繰り返し空を見上げてばかりいました。
ああ、拝啓、秋さま。わたしは心から、あなたに惚れています。---
秋の野山。
咲いては散って行く秋の花たち、銀色になびくススキや、猫じゃらしやー、そして緑の合間に見え隠れする、色とりどりに完熟してゆく果実。・エビヅル・ガマズミ ・ざくろ・さるなし・またたび・あけび、むべ・山椒夢中でシャッターを切っていた彩りたちを、一挙に写真でお届けしますね。
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あと、野山に入る時に、大切にしていることがあるので少しシェアを..^^
自然や他の生き物たちとの調和
秋の実りにしても、花にしても、何にしても、わたしは自然や他の生き物たちとの調和を忘れないように努めています。
本能でしょうか、ともすると私たちは実りを前に、容易に欲深くなってしまう生き物です。ですが、特に果実は、私たち人間にとってはお楽しみでも、小動物たちや鳥たちが冬を越すための命に関わる栄養源であり、また、植物が長い時間をかけ、命をかけ、次の世代へと紡いだ結晶です。
採取に関しての世間一般的なルールや、それぞれの地域のモラルは前提にあるとして、その上で、たくさんの命に囲まれた中の、わたしという一つの命と、植物という一つの命として1:1で向きあったときに、思いやりのある、持続可能でフェアな関係でいたいと思っています。
植物に分け与える余力があるのかをみる、いっきにとらない、ダメージを加える箇所で切らない、完熟のものだけを少しいただく、最後はタネをありがとうと撒いて帰る・・など
また、ジャムやシロップはとても贅沢なもの^^なので、果実を絞ったあとの皮や種もそのまま捨てたりせず、できるだけ最後まで使い切ります。
たとえばエビヅルならば、シロップにした残りの皮部分でエビヅル染めを。
ジャムの残りで、正絹を染め上げました。
ガマズミの種などは、ウォッカに漬け込んでエキス&果実酒に。(種周りにはペクチンも多く、ここを丁寧にそぎ取りながら煮詰めると、シロップではなくぷるんとしたジャムとなります。また、ビワなどバラ科の種の場合は青酸配糖体を含むことが多く、それがアルコール漬けされる中で加水分解され、アーモンドのような芳香に変わります。)
お酒や染めに使わなくても、搾り取ったあとの果実は捨てる前にお水やソーダで割ってあげても美味しいし、銀河シロップを作っている人はそこにすべてブレンド・インすることもできます!^^
作った時だけに飲める、作ったひとだけの、お楽しみ。
そこまできたら、最後の残渣は庭に還しておしまい!---こういう使い方をすると、植物と通い合っている気がして不思議とレシピもうまくいくし、ごみも少ないし、何より自分自身が心地よいのです。”奪って”つくったものは、なぜかどこか、"奪った味"がします。感謝がないと作業が雑になりがちなので、必然的に雑味も多い。逆に、ありがとうと循環の心で炊いたシロップは、いつもどこか透き通っています。
金木犀のシロップ。ノーフィルター。
偉そうなことを書ていますが、かくいうわたしはずっとずっと、大半はー奪って生きてきました。年々、できることや避けることは増えているけれど、でもまだまだ、まだまだ環境負荷のある生活をしているし…。欲に負けることもしょっちゅうだし、日々反省することも多々、多々あります。だからこそ、今、より一層、ほんとに一歩ずつでも、昨日より今日、今日より明日、地球と寄り添って愛し合って生きていけたらすごく嬉しい!(そして幸い、そういう意識の方ばかりに囲まれて生きているのです^^)自然は優しいので、どんな状態になっていても、わたしたち人間が何をしても、それでもなお、偉大な自己浄化を繰り返しながら、わたしたちが気づき、歩み寄り、変わる余地をいつも残してくれているように感じます。前置きが長くなりましたが、秋の宝石たちをお楽しみください^^そして来年はぜひ、間に合う方は今年からでもぜひ、このコラムと図鑑を片手に、山を観察してみてくださいね。
秋の宝石たち
エビヅル
秋の果実で最も好きなエビヅル。名前の由来は、葡萄(えび)色の蔓(つる)から。ブドウ科ブドウ属のちいさな果実。山ぶどうの仲間ですが、山ぶどうに比べてかなり小型で(5~9mmくらい)、その割に種が多く大きく皮が分厚いのが特徴。そのまま食べることもできますが、可食部が少ないことと、加熱時の独特のコクと旨みがやみつきになるほど美味しいため、私は毎年シロップにしています。
ごくごく少量しか作れないため貴重ですが、今年は少人数制のワークショップで、野生のエビヅルをとるところから、ジャム作り、エビヅル染めや、最後の皮やタネの活用までを丸一日かけて楽しみました。(いつも貴重なエビヅルやガマズミなどをたくさん提供してくださる、カントリーチェアさんやご近所、全国のお友達の皆さま、本当にありがとうございます♡)
いつまでも見つめていたいほど、美しい葡萄色。
エビヅルシロップは、丁寧に味だけにしたエビヅルと同量~60%のくらいの砂糖をまぶして、じっくりと低温で、潰しながら煮詰めていきます。
あまりタネまで潰すとえぐみがでますが、皮の豊富なアントシアニンと、果汁とをしっかりと潰し出しながら煮詰めるイメージ。今回は加水なし。とろんとしたシロップとジャムのあいのこになりました。パンやヨーグルトにかけたりせず、もう、そのまま小さなおさじでじっくりと楽しみます。もうね、奇跡の味。(薬草リトリートでもお出ししています^^)
シロップを漉し終わったら、そこへお水を加えてエビヅル染め液に。 シルクが一番よく染まりますし、1年くらいならば綺麗に色持ちしてくれます。今回は媒染なし。去年はミョウバン媒染し、少し薄く明るいブルーになりました。
アオツヅラフジ
エビヅルに似た毒草に、アオツヅラフジがありますので注意してくださいね。こちらは葉の形状も、実のつき方も異なります。(籠に乗っているのは、手前がエビヅルで奥がアオツヅラフジ)また、食べられなくはないですが、よくノブドウとも間違えらます。安全に関わることなので、ここではあえて中途半端に書くことは避けておきます。図鑑などで調べてみてくださいね!・ヤマブドウ/エビヅル/サンカクヅル (食用)・ノブドウ (食べないがお酒につける)・アオツヅラフジ (毒 - 一部では生薬だが安易な利用は避けるべき)このあたりを調べていただければまずは良いと思います^^
ガマズミ
秋のルビー。ビタミンCやポリフェノールが豊富で、マタギの方の身体を、森の中で癒して来たパワーフード。果実酒にもよく用いられます。庭木にもたまに使われています。
枝から一つ一つ外すのがなかなか大変でした^^;シンプルに、砂糖とガマズミだけで見事な紅色のコンフィチュールに。
手前が、がまずみ/ざくろ/はまなすのジャム、奥がガマズミだけで作ったジャム
ざくろ
今年は糸島へ越してきて4年間、一度も結実することがなかった我が家のざくろが今年初めて、大粒の実をたった一つ、つけてくれました!でも、とてもとても、わたしにはその大事な一つを切り取ることなんてできなくて、ぱっかりと割れたそれを、鳥や虫たちとシェアしながら、庭に出るたび数粒かじっては楽しみました。
ラッキーなことに、近くの直売所で大粒の天然ざくろを購入できたので、ガマズミと、ハマナスの花びら(日本古来の薔薇です)といっしょに緩やかに炊いて、ローズ香るジャムに。なんだかとっても女性性が開花するような味...♡美味しい!
マタタビ
マタタビって採れるの?!まずそこに驚きがある方が多いのでは?どう使おうかな?と思っているうちに、我が家の猫たちに見つかり、気付いた時にはすっかりかじられていました^^; さすがマタタビです。(マタタビに含まれるマタタビラクトンがネコ科の動物に対して媚薬的に働きます。)ちなみに、市販でみかけるのはこのようにつるりとしたものではなく、茶色くゴツゴツしたまたたび。そのゴツゴツは、マタタビミバエの産卵により作られた虫癭果という虫こぶで、正常な実が熟す前に落ちたもの。木天蓼(モクテンリョウ)という名前で生薬として用いられます。冷えや滋養強壮の薬草酒として我が家でも漬け込んでいますが、特に美味しいものではない...かな^^;
蔓につながっている果実がマタタビの実。半割してあるものが下のサルナシ。
サルナシ
野の果実の中で、もっとも美味しいとも言われているサルナシ。猿が我を忘れて食べたからこの名前になったとか。味も食感もまさに小さなキウイ。ただし実の周りに毛はなく、つるりとしています。実はマタタビと同じマタタビ属なので、キウイに似た葉の感じも、蔓性で木の上の方にあることも、生息地も似ています。(どちらも貴重!)お友達の野草博士によれば、一昔前は糸島もそこらじゅうにあったといいますが、今はかなり減っているそう。幻の果実とも言われているようです。今年は野草博士に案内してもらい山へ観察へ。3粒ほど拾えましたが、10月頭ではもうシワシワ、完熟でした。
まさに小さな小さなキウイ!美味!
冬柿
お庭のふゆ柿。初夏には葉っぱをお茶用にいただき、秋になったら果実をいただいています^^(一昨年は、ここで柿をとっていたら上から猿が落ちてきて、玄関まで追いかけられた恐怖経験があります….)
そのまま食べるのはもちろん、半透明になるほど木なりで完熟したものは、潰しながら瓶の中へ。今、柿酢を仕込んでいます。(柿は酵母菌や各種発酵菌がいっぱい!酢酸菌も多いため、潰して瓶などにいれておくだけで柿に含まれる糖分を分解し、酢酸=お酢を作るのです。)
肌寒い時期でも、2日でもうこんなに発酵!
あけびと郁子(むべ)
アケビには、特別な思い入れがあります。
都会育ちの私としては、昔から図鑑や絵本で見かけるあけびと出会うことが、夢で夢で仕方ありませんでした。(今時、あけびなんて食べるのかい?と近所のおじいちゃんには笑われますが...笑)
糸島へ来て、生まれて初めて、自分の目で野生のあけびと出会った時の感動は忘れられません。
そして今、毎日のお散歩コースにいる、あけび。
若草色の柔らかな若芽が伸びてくる様子、少し透き通った薄紫の香りたつの花が咲くところ。
まだきゅっと硬く口を閉じた、小さな青いあけびができてきて、9月に入り、だんだんと大人の憂いを帯びた青紫路に変わって行く様…。
1年を通して、そんな成長を毎日、毎日、愛おしく眺めて楽しみました。
決して食べやすい果実ではありませんが、そのまったりとした食感と、濃厚な甘み、なによりも夢とロマンの味が、私には堪りません。
ちなみに郁子はアケビに似たアケビ科の植物ですが、あけびのように口が開きません。また、あけびよりもコロンと丸く、(五葉のあけびに比べると)ひとまわり小さく、甘みも少し強く、葉っぱはより大きく厚いイメージがあります。花もクリーム色主体で、トランペットのような形。
アケビも郁子も、皮まで食べることができますが、私にはちょっと苦すぎるかな、、という印象。代わりに、タネも皮もまるごとお酒に漬け込み、2年以上熟成させると不思議なコクのある美味しい薬草酒になり、おすすめです^^
山椒
木で完熟した実山椒!
葉っぱや青山椒とは異なり、円熟したまるで香水のような香り・・・。
青い実山椒はオリーブオイルに漬け込んだりしますが、これはもうこのまま、ピンクペッパーのように楽しんでいます。カリカリと食感も軽く、ひりつくような辛味もありません。
チョコレートなどのスイーツや、マティーニなどのカクテルにもとても合いそう!
ちなみに似ているものにイヌザンショウがあります。(写真のカゴ、上の方がイヌザンショウ。下の大粒の赤い実が山椒。)イヌザンショウも食用にできます。葉っぱがやや小さめで、つける実は小さく、芳香がありますが、本家本元の山椒には到底かないませんね。これはこれの良さですが^^(民間療法としては咳止めなどとして用いられるらしいので、今年の冬に少し試してみます。)さあ、みなさんは、どんな小さな秋、みつけましたか?ぜひ、お出かけしてみてくださいね。きっと、地球に生まれてよかった!って思いますよ^^-Miho