薬草コラム
こころもまるく、春のミモザ遊び
一昔前まで、 ドライフラワーでしか知らなかった、 お花屋さんにしかないと思っていた、 そんなミモザに、今年はもう一歩、近づいてみたくなりました。 知ってましたか? 木に咲いているときミモザは本当に、手を目一杯ひろげたみたいに、 太陽が咲いたみたいに、大きく大きく、まるくまるく、咲くんです。 (摘みとると、途端に、するすると小さくなってしまうのですが...) *ちなみに、本来「ミモザ」とは、ピンクの花を咲かせるオジギソウ(Mimosa pudica、ネムノキ)の学名のことを指します。わたしたちのいう「ミモザ」には、アカシア (Acacia ~) という学名がついています。なぜ「ミモザ」と呼ばれるようになったかというと、オジギソウと ”ミモザ” の葉っぱが似ているため。 ”ミモザ” (アカシアの方) がミモザアカシアと呼ばれるようになり、いつのまにやらアカシアがとれて、気づいたらミモザになっていた...とか。 ちなみに、日本に多くあるのはギンヨウアカシア (Acacia baileyana)で、マメ科ネムノキ亜科の常緑高木です。 -- とある小春日和に、ミモザ遊びをしました。 ミモザ・ドロップ (ミモザの砂糖漬け) ミモザ色シュガー ミモザ&リンデンフラワーのリモンチェッロ ミモザのティンクチャー ミモザ染め ミモザ氷 白いお皿から、反時計回りに、ミモザドロップ、ミモザシュガー、ミモザのティンクチャー。 ミモザ・ドロップ (ミモザの砂糖漬け) スミレの砂糖漬けは有名ですが、ミモザも実は同じように砂糖漬けにして楽しみました。 モサモサしないの?と思われるかもしれませんが、シャリシャリの砂糖にまぶされるので、大丈夫。 ふくふくしい春の黄色、まるまるとしたフォルム。 思わず心も弾みませんか? 作り方 摘みたてホワホワのミモザの花だけを、ひとつひとつ切り取ります。 さっとゆでてアク抜きし、水分をやさしく拭き取ったら、濃いめのシュガーペーストにまぶします。(日本によくあるミモザ(銀葉アカシア)にはほとんど味はないので、少しここで香りをつけるといいのかなと思います。今回は少量の水、グラニュー糖に、アマレットを加えてみました。メープルシロップやはちみつでもきっと大丈夫!すみれの砂糖漬けを作るときみたいに、卵白でコーティングしてもOK) さて、大変なのは、ここから。まぶしたミモザを、細いお箸などで、丁寧にひとつひとつほぐし、お砂糖にまぶし、ぽとりぽとりと乾かしていきます。 しっかり乾いたら、完成です。 *食用については最後に追記ありますので読んでくださいね 直射日光を避けながらしっかりと乾かしたら、乾燥剤と一緒に、日光を避け保存してくださいね。 こちらのミモザ・ドロップと野の花を添えて、ミモザのシフォンケーキをつくってみました!^^ ミモザ色のシュガー 実はこちら、ミモザの砂糖漬けの副産物。 ミモザって、とっても綺麗な黄色が出るんです。 湯がいた時や、ティンクチャーにした時など、びっくりするほど綺麗な黄色が。 たっぷりと纏った、花粉によるところが大きいのでしょう。 砂糖玉を作った時、まぶしたあとに残ったお砂糖も、同じように綺麗なミモザ色。 これは勿体無い、と、こちらも乾燥とほぐしを繰り返し、最後はドライのミモザの花を混ぜ込み、綺麗なミモザ色のシュガーにしました。 普段、白砂糖は使わないのですが、こういう色を出したい時には有り難く使わせていただいています。 植物の色が見事に移しかえされると、嬉しくて、思わず飛び跳ねたくなるくらい、ウキウキします! ミモザ&リンデンフラワーのリモンチェッロ ちょうど同じころ、友人から、自宅の山で採れたという立派な無農薬レモンを(ありがたいことに、またまた!)いただきました。 そこで、二年前に漬け込んでおいた自家製のリンデン・リモンチェッロ( スピリタスにオーガニックリンデンフラワーと無農薬レモンのピールを漬け込んだもの) に、フレッシュなレモンピールをさらに加え、一緒に少しだけミモザを加えてみました。 みんな、春色で... とびっきり可愛い。 ふふっと、思わず、瓶を横から眺めたり、上から眺めたり...。 ミモザのティンクチャー オーストラリア原産のため、日本の植物としてはあまり馴染みのないミモザですが、調べてみると諸外国では昔からミモザの樹皮、葉、花のエキスが傷や火傷の治療などに用いられてきたようです。葉っぱのお茶を歯痛止めにしたり、タンニン豊富な皮を止血に用いたり、煎じて飲用し咳止めにしたり。(参考) 特に樹皮の薬効が高いようなので、今回は皮とまではいきませんが、枝・葉・花のすべてをウォッカに漬け込んでみました。これを使って、色々実験してみます。 儚くも、底抜けの明るさを感じるこの木の、この花が、瓶の中に収まっているだけでもとても愛おしく、特別な気持ちになります。 ちなみに、マニアックではありますが、ミモザには精油もあります。香りを持つ、フサアカシア (Acacia dealbata)の花と枝から得られ、リラックス効果のあるパウダリーな香りを持ちます。皮膚に対しては収斂作用や消炎作用、皮脂バランスの調整作用、抗菌作用などが期待されますが、刺激が強いので、使用には十分な注意と知識が必要。皮膚使用は避け、うっすら香りを楽しむだけでもいいかもしれません。 ミモザ染め ミモザからあまりに綺麗な黄色が溶けでてくるので、きっとこれは素敵な草木染めができるはず・・・、と思ったら、大当たり! ビワの葉染めのときのような、ふわり儚いピンクに染まり上がりました。 写真は、正絹を無媒染で。 なお、ミモザの種のさやは綺麗なグリーンが出るとか。 種自体も食用等に供されるようなので、いつかは種にもチャレンジしたいと思います。 ちょっと煮詰めて、まだ暖かいうちに、布を漬け込みます そして、この色。薄い珊瑚色。 ミモザ氷 せっかくのミモザ、最後のひとつの花まで、無駄にせず大事に使いたいもの。 籠のはじに、少し残った居残りミモザがいましたか? そうしたら、ぜひ、迷わず製氷機へ。 手間いらずで、とってもかわいいミモザ氷の出来上がり! 左から、ハマダイコンの花、ガマズミの実、ミモザ。 いかがでしたでしょうか? ひとつでも、あなたの心のワクワクスイッチを押せるものがあったら、嬉しいです。...
季節のパスタソース作り vol.1 - 人参の葉っぱのジュノベーゼ -
東京から糸島へ移り住んで、嬉しいなぁと思うことのひとつ。 それは、「葉っぱ付きのお野菜がたくさん手に入ること」! 地面から抜いた根菜は、葉がついた状態のままだと、葉にどんどん栄養と水分が移行し、根菜に鬆(す)が入ってしまいます。 そのため、流通前にはあらかじめ、根菜から葉を落とします。 でも、糸島の産直で手に入るような野菜たちは、 さっきまで大地に根を張っていたものを、その日の朝、すぽんっと抜いたばかり。 なので、カブや大根はもちろんのこと、 玉ねぎ、人参、ビーツなども、葉っぱ付きでそのまま、まるごと、手に入る! 葉も根菜も、新鮮そのもの、ぷりっぷり。 更にありがたいことに、糸島には様々な工夫と手間暇をかけながら、 化学肥料や農薬を使わず野菜を育てている農家さんがたくさんいらっしゃいます。 そんな方々から購入する、無農薬人参の葉っぱがたっぷりあるときは、 私は [ 人参の葉のジュノベーゼ ] を作ります。 (農薬全否定派、っていうわけではないのですが、農薬安全基準は「人参の根っこ部分」を食べることを前提にしていると思うのです。 そのため私は、「規格外」な部位を食べる際には無農薬を選びます。) ポイントは、「買ってきたらすぐに作ること」。 時間がたつと、葉も根菜もしなってくるし、葉も硬くなり、味もトウが立ってしまいます。 少量でもつくれるし、簡単なので、美味しいうちに、パパッとぜひ! 人参の葉っぱのジュノベーゼ レシピ 材料: 人参の葉っぱ(柔らかいところだけ) 40g ナッツ類 40g 生にんにく 1-2かけ パルメザンチーズ 30g オリーブオイル 100ml 黒胡椒 適量 *量はだいたいでOK *塩は、使用するチーズの塩分によって足してください 作り方: 人参の葉は、洗って、綺麗に水気を切る。 葉を茎から外し、柔らかいところだけを摘みとる。 あとは、材料すべてを、フードプロセッサーやミキサーで、なめらかになるまで混ぜるだけ! 味の好みや材料の水分含有量によって、オイルの量も調節してね できあがったら、早速ゆでたての麺と和えて。 麺は伸びたらアカン。写真とってないで、美味しいうちにいただきます! (ということで秒速で撮った雑な写真ですみません….) 簡単でしょ?ほんと、混ぜるだけなんです^^ オリーブオイルがなければ菜種油や白胡麻油でもいいし、 ニンニクは、私はいつも香りの強い青森県産だけれども、なかったらチューブでもいいし、生姜入れてもいいし、 ある程度粉チーズも減らしても大丈夫だし、逆に本物のペコリーノチーズや、パルミジャーノレッジャーノチーズを使えばぐっと本格的な味になるし。 ナッツは、松の実・カシューナッツ・くるみなど、なんでもOKです。 私は今回、ローカシューとヘンプシードにしました。 (くるみ・アーモンド・タイガーナッツを使う際は、食べた時に薄皮が気になることがあるので、味見しながらやってみてくださいね。) パスタとしておいしく作る、ポイントは二つ。 麺はそのままで食べても美味しいと感じるくらい、美味しい麺を、美味しい水で、美味しい塩をしっかり効かせて茹でること。(そして表示のきっかり1分前にお湯から上げて、アルデンテにします。) その茹で汁は少しとっておき、ひとすくいの茹で汁とジュノベーゼペーストをよくまぜて乳化させてから和えること。(茹で汁はパスタ皿を温めるのにも使えます。もっというと熱いうちに油物の洗い物にも使います。笑) 仕上げに、黒胡椒をガリガリっと削って、オリーブオイルをひとまわしして、どうぞ! 保存 冷蔵でも2週間くらい、冷凍だと数ヶ月はもちます。 保存の際は、空気に触れる面積が少ないように細長い瓶に入れて、最後にオリーブオイルで”フタ”をして保存すると色持ちします。 アレンジ: 葉っぱをいただいた後、人参で作る好きなレシピは、[ にんじんしりしり ] 。 オイルと炒めるため、脂溶性のビタミンAも効率よく摂取できます。 ツナで作る方が多いと思いますが、私はオイルサーディンで作るのが好き! 一気にぐっとワインに合う、深い味になりますよ^^ また、ジュノベーゼはパスタに和えるだけではなく、[ ディップ ]としても楽しめます。 ・自家製の豆乳ヨーグルトや醤油麹と混ぜて、発酵ディップ ・すりごま、白ごまペースト、少しのお酢を加えて、和風ディップ ・自家製のマヨネーズとミックスして万能ディップ ... など そのほか、前菜として、ジュノベーゼペーストとクリームチーズとマーブル状に混ぜてクラッカーにのせたり、スライストマトの上に、オイルサーディンやアンチョビ、ざく切り玉ねぎピクルスなどと一緒にのせてドレッシング風にしてもきっと美味しい。 ...
#そう在れない時はそう一杯のお茶を
今日の、
心をひらく、お茶。
よもぎの新芽、月桃の完熟の実、熊笹の青葉、薄紅あおいの花、蒲公英の花、キンセンカ。
You are me, I am you. So be kind to both you and me. あなたはわたし、 わたしはあなた。 だからわたしとあなた、 両方に優しくありましょう。
- oneness. 全てはひとつ。
#そう在れないときはそう一杯のお茶を
今あるもので、今すぐに。 - 薬草足湯のススメ -
身体と心は深くリンクしている 最近私は、「この人といると(これをやっていると)、わたしは暖まるだろうか?冷えるだろうか?」 そんな観点から自分を観察していたりします。 何だか緊張する相手(や物事)だと、手足足先がきゅうっと冷たくなって、肩が上がり、心もぎゅっと閉じ、 逆に本当に心許せる人(や物事)とは、ハートがふわりと開き、血が心地よく巡る感覚があります。 顕在意識でそう気づいていなくても、 深いところで相手と波長が合っているのかどうかは、身体がヒントをくれる気がします。 自律神経による身体反応、と一言で片付けることもできますが、 心と身体は、面白いくらいリンクしているなぁ、としみじみ感じます。 心が先で、後から身体の反応がついてくることもあるし、 逆に、身体を先に整えてあげることで、心をプラスに引っ張ってあげることもできます^^ 冬の身体と心 冬は寒さでどうしても縮こまりがち。 肩がまるく内側へと入り、首も前に出て、猫背に。 猫背になると、呼吸が浅くなり、 そして呼吸が浅くなると、思考も狭まりやすくなります。 心がつらいとき、 もうすでにいっぱいいっぱいの心からアプローチするのではなく、 まず身体から整えてあげることは、とても大切なことだと常々思っています。 そんな時に淹れる、一杯のお茶の力、その10分間がくれる励ましの偉大さこそ、 私が薬草茶を介してみなさんと共有したいことなのですが、 今日はお茶だけにとどまらない、ほっと暖まる冬の薬草セルフケアをご紹介します。 [ 薬草とハーブ、スパイスのfoot bath ] テーマは、「今あるもので、今すぐに。温めること、心地よくなること。 」 ハーブに詳しくなくても、 野草が摘めるところに住んでいなくても、 簡単に今すぐにできる、心地よさ。 ああ、ちょっとしんどいかな? と思ったら、深くぐるぐるするまえに、さっと足湯で温まってみてください^^ (湯冷めだけ、しないでね〜!レッグウォーマー最強!) きっと、思った以上に緩みます。 用意するもの 入れ物 (洗面器でも、なんでも。お湯と足を入れられるもの。) ドライハーブやスパイス類 生のハーブ類 ドライハーブは、 古くなってしまった各種お茶やハーブティー(リーフでもティーバッグでも) 使い切れなかったスパイスなど (シナモン、ジンジャー、ホールの胡椒、八角 etc) 茶殻 (suuのお客様は茶葉をとっておいて、最後ふりかけにしたり、お風呂に入れたり、足湯にいれたりしてくださっています^^) など。つまり、なんでもいいのです。 (これを書きながら私は、古くなったお紅茶ティーバッグ、やわやわになったカボス、ドライフラワーにしていたよもぎやイヌタデ、今朝飲んでいた[月のよもぎ茶]の茶殻をいれた足湯を楽しんでおります) 生のハーブは、 ローズマリーなどのキッチンハーブ みかんの皮など 柑橘のタネ (ペクチンでとろみがついて保温&すべすべ) 冷蔵庫の中のちょっと余った生姜など 野に出られる方は、野草 (今の時期なら、よもぎ・びわの葉etc) 野草の花びらも、純粋に心が躍ります^^ (今なら、たんぽぽやノゲシ、さざんか、椿の花など) 天然塩や、エプソムソルト(塩化マグネシウム)、日本酒、漬け込んでいる人は余ったチンキも良いですが、あくまでさっと入れられる場合は、です。 考えすぎないでね^^ ドライハーブだけでも、生のハーブだけでも、お塩だけでも、 さっき食べたミカンの皮だけでもいいですよ! やり方 容器にドライハーブを入れ、沸かしたばかりの熱湯を注ぎます。 ドライハーブや茶葉から色や香りが出てきたら、次は生のハーブを。 大きいものは、ざくざくカットしてあげると成分が出やすいです。 はじめから適温で入れるよりも、まず熱湯で成分抽出するのがミソ。 そこへ水を加え、心地よい温度へと整えます。 色を楽しむ生の花びらは、最後に加えます。 お持ちの方は、好みで精油を少量加えても^^ 私はジンジャーの精油を1滴垂らしたりしています。 あとは、もうの~んびり、足をお湯に浸けるだけ。 すると不思議、足が温まると同時にカッカしていた頭の熱がとれてきたり、(いわゆる頭寒足熱) 意識が頭からハートへ、ハートから丹田へと落ち着いてきたり。(いわゆるグラウンディング、“肚落ち”) 時に、ふっと昔の感情が蘇ってきて、「ああ、あの時ないがしろにしていた感情が、今のこの辛さの根っこだったんだな」と気づいたりします。 今の時期はすぐにお湯が冷めてしまうので、楽しむ時間としてはものの数分だと思うのですが、 逆にいうとたった10分あればできる、確実に心身に効く、心地よいセルフケアです。 ぜひ、お試しください! with love...