薬草コラム
よもぎの蕾、満月、秋の訪れ
またこの季節がやってきます。よもぎの蕾ー。アンティーク・シルバーみたいな、愛する、霞みがかった アルテミシアン・グレー。
空いっぱいに飛ぶ、とんぼのなか、振り向くと、あたり一面、よもぎでした。海を見下ろしていた、そんなよもぎの蕾たちを今日は、花束にして、抱いて家へ。
夏日だった糸島、でも、もう野は完全に秋。あけびの青い実、アオツヅラフジの青い実、ノイバラの青いローズヒップ…季節の移ろい以上に鮮やかなものは、果たしてあるのでしょうか?
…来週は、満月です。.この満月の夜に、月の光だけに導かれて、静かに白く浮かび上がる、蓬の蕾を摘みます。普段の柔らかな葉とは全く違う存在感を纏った、この植物を。銀色に、白さを帯びたその姿はこれから花を咲かせ、そしてやがて次の世代を掬ぶため冬枯れしていくよもぎのある意味、最後の晴れ姿のよう。とても美しく…とても清々しく。「個」ではなく「種」の存続を、淡々と、粛々と繋いできた逞しい命の歴史をわたしは感じます。
Tthe season of blooming yomogi is almost there.Yomogi buds are bit white and grayish - and I truly adore this “Artemisian gray”, reminds me of antique silver.Fullmoon is coming next week. On this day, I will go outside at night, without any light in my hands.I know the moon will guide me to the yomogi buds - They reflect lunar light and stand so beautifully in the field.
霧と山 - ネムノキ
あまりに美しくてどうして良いか分からない霧の日だった。 ネムノキ。 終わり終わりの最期の花の時期。 霧深い森の中で出逢うと さながら、淡い紅色の妖精が降りてきたよう。
ネムノキ
マメ科ネムノキ属
その名は、夜になると葉が閉じる 「就眠運動」に由来
中国においては、夫婦円満の象徴
樹皮と葉は 「合歓」という精神安定の生薬 よく歌に詠まれる花は 不思議な甘い香り、 でも転写できない香り、 浸すとじんわり水を朱色へと染める花。 今はいろんな技術が発達しているから 無理矢理にでも香りを閉じ込めたり ケミカリーに復元したり ちいさなプラスチック粒子をつかうことで長く香らせることもできるけれども そうしないのが心地よい、 そうしないのが敬意な気がする
Your browser does not support our video.
風が吹くと木は、まるで呼吸するみたいに下から上へとゆっくりとふうわり膨らみ枝葉を鳴らす。それはもう何もまるで敵わない美しさ山と木と私しかいないところでそんな薫り、こんな姿を目の前にするともう息をするのを忘れてしまうか、この感動を一粒だって逃すまいと目を閉じて深呼吸をするかの、二つに一つ良かったら、音を出して、山の音、聴いてみてくださいOn one beautiful, almost unforgettable misty day in the woods, I met flowering Nemunoki -. Nemunoki, means “sleeping tree.” Its leaves slowly close during night time... Please turn the sound on- hope I can share some beauty of mountain with you.
赤い宝石、ヤマモモ
田植えの時期だというのに雨がなく心配していた糸島にも、梅雨がやってきようです。そんな安堵の雨つぶが落ちるほんの数日前、滑り込みで、旬のヤマモモを拾いにいってきました。
ヤマモモ、わたしはこの複雑な果実に、いたく魅力を感じます。まず、ぎゅうっと甘く、ぎゅうっと酸っぱい。その勢いの良い喉ごしが、とても心地よい。そして、そのドンとした見た目以上にジューシーで、噛みしめると果汁がこぼれる。味わいは、苺のようなフルーティーさ、そして裏側に、じわりと不思議な松やにの風味。その普段馴染みのない風味が、じゃくり、と口のなかで潰れていく果実の粒子の小気味良い感触とあいまって、とてもクセになり、他の果実では味わえない感動をくれるのです。
さて、今年はどうしよう、どう遊びましょう、あれやこれやと妄想を巡らせながらのヤマモモ拾い。今年は例年より、すこし少なめです。とにもかくにも先ずは、毎年恒例の山桃の赤ワイン煮。ゆっくりアクをすくいながら、重めのワインでとろとろ煮詰め、深く真っ赤なシロップに。
松の香りがするからか、針葉樹系ハーブであるジュニパーベリーがしっかり香る個性強めのジンとも合わせたくなりました。今、これを書きながら、ちびりちびりと飲んでいます。
ヤマモモには、おそらく、園芸種なのであろう大粒のもの(2-3cm~)と、野生種に近いのであろう小粒のもの(1-2cm)があります。よく見かけるのは、後者でしょうか。木の下に、なにやら赤黒いものがたくさん落ちていたら、観察してみましょう。今の時期ならばヤマモモかもしれません^^(少し前なら、それはきっと桑の実ですね)庭木に多いので、ヤマモモがお庭に生えている(ありがたい)お友達を探しましょう!そしてピクニックシートをもっていって、木の下にひかせてもらって木に登って、ゆさゆさと枝を揺らして、ぽとぽと落ちるヤマモモを、ルンルンと拾いましょう。ヤマモモは、木肌もつるりとしていて、枝分かれもちょうどよく、するする登りやすくて好きな木。
そのまま木の下で、ピクニックなんかも、いいですね^^
満月を描く - 平成最後の、満月に寄せて -
どうやってお茶をつくるのかと尋ねられるけれど、
“円を描く”のです、としかいいようがない。
たとえるならばヨガに少し似ている、
ポーズは、自分の中の照準みたいなものを合わせていく作業だから。
ただただ内に向かって、追い求めてゆく作業。
お茶も同じ、
よもぎと向き合う、呼応し合うように焙煎する、ごくごく少しずつ、
選別し、和える、
湯を注ぐ、その瞬間昇り立つ香りから、順繰りにやってくる様々なる味わい、舌触り、滑らかさ、甘み、色、
これらがひとつの点から始まって、わたしのなかでぐるり円を描いていく。
まるで、今宵のうつくしい満月のような、そんな円を。
口に含んだときに感じる欠け、余剰なふくらみあれば、まぁるくまるく、一筆書きのように滑らかでおおらかな円になるまで、
焙煎、選別、調合を繰り返し、わたしのなかでぐるうりと円を描いていく。
調合は毎回違う、よもぎの表情にあわせてゆくから。
なんども満月を描きたくなるような、そんな月に出逢うことはそうそうない。
ただ和えるだけでお茶はつくれるけれども、
満月にはならない、
だから- suu -は寡作、たくさんの種類はない、
でも出逢ったらそれは運命、
だから作り続ける。
なぜお茶をつくるのかとも尋ねられる、
それは、
それは、呼応するため。
あなたのなかの宇宙と呼応する、そんな満月を描くため。