【ご報告】これまでのこと、これからのこと《前半》

 

こんにちは。- suu - の佐々木美帆です。

春のはじまり、

SNSで

「そろそろお茶作りは卒業かもしれません」

と書いた私の言葉を、

たくさんの方が受けとめてくださいました。

 

心配してくださった方、

「どんな選択でも応援しています」

と言ってくださった方、

そして何より、「このお茶には代わりがない」と

涙が出るような声を寄せてくださった方ー。

ありがとうございました。

 

今日は、そんな皆さまへ、

あらためてご報告と、

気持ちをお伝えさせていただきます。



目次:
 I. - suu -のお茶作りの裏側
 II. 揺れ動く
 III. これからのお茶作りについて


I. - suu -のお茶作りの裏側

 

- suu -のお茶作りは

足元の野草に恋をした私が

庭のよもぎを摘むところから始まりました。

 

そこから8年ほど。

気づけば、

山の中に1500平米のよもぎ畑を構え

素敵なスタッフたちにも囲まれ

何万人もの方にお茶をお届けしていました。

 

糸島の隅っこで作りはじめたお茶が

口コミだけで広がり、

憧れの方々に飲んでいただいたり

国境すら超えて、

いくつものミシュラン星付きレストラン、

有名ブランドのアトリエやホテルでも

提供していただいていること...。

今でも夢物語のようで、

なんだか信じられません。

 

ですが

少しずつ規模が大きくなる中でも

変わらず大切にしてきたことがあります。

 

それは、

_すべて手しごとでのお茶づくり

_作り手の五感を通じたお茶づくり

そして

_素材ひとつひとつと丁寧に向き合うこと。

 

- suu -では現在、

常時20種類ほどの

お茶の素材を使用していますが、

 

特に、キーノートとなる素材については

農家さんや摘み手さんと信頼関係を築きながら

旬のタイミングで収穫したもの

吟味して使っています。

 

一年を通して鮮度が保てるよう、

厳密な品質管理のもと

毎回のお茶作りで微細な調整を重ねることで

“いつも同じ美味しさ”という安心

をお届けしてきました。

 

ですが近年、気候変動や物価高騰に加え、

農業従事者の高齢化も進む中で、

これまで信頼関係を築いてきた

提携先の縮小や廃業が相次いでいます。

お茶づくりをする環境は、

年々本当に、厳しくなっています…。

 

私自身も、

さらに植物と深く繋がりたい

もっと学びたい、という気持ちが芽生えていて

もしかすると今は

お茶作りを手放すタイミングなのかもしれない―

そんなふうに考え、

辞める決意を固めていました。

 

II. 揺れ動く

 

その気持ちがほぼ固まった頃、

その想いをSNSのストーリーに綴りました。

すると、お客様から、想像をはるかに超える

数えきれないほどのリアクションを

いただきました。

 

「みほさんのやりたいことを尊重したい」

「でも、このお茶には代わりがない」と……。

 

スタッフたちからも、

「自分たちがもっと協力することで、

 どうにかお茶作りを続けられないか?」

そんな声を、全員が挙げてくれました。

 

こんなありがたいことが、あるでしょうか。

 

人生という限られた舞台の上で、

一度身軽になり、ひとり植物を追求することも

ひとつの"正解"でしょう。

 

でも、植物と共に生きるその道の途中に

大切な誰かと愛を分かち合えるならば

それは"奇跡"です。

 

この温かな繋がりを守りながら、

次の風景を見ることはできるのだろうか...

 

時代の変化をゆるやかに受けとめながら

私たちも心地よく変わっていく

そんな選択肢があるのならば...

今一度、新たな気持ちでやってみようかー。

 

私は最後にもう一度、

自分と、お茶と、そしてみなさんと

向き合ってみようと思いました。

 

III. これからのお茶作りについて

 

お茶を愛してくださる沢山の方がいる一方で

今までと同じことを続けるのは

もはや不可能。

 

ならば私たちはどう在れるのだろうか?

その問いに、毎日向き合いました。

 

「季節のお茶だけ作ってみては?」

「作りたい時だけでもいいのでは?」

 

...そういう案もありました。

確かに、それもひとつ。

 

ですが、

それだとお客様から望まれる製造数には

遥か及ばず、

仕入れも少量で不安定になるため、

価格も高額にせざるを得ません。

 

お茶づくりの喜びは

飲んでくださる方の笑顔、

日々のお茶を通じて生まれる幸せな循環です。

 

入手困難な上に高すぎるお茶は、

その目的からも外れてしまいます。

 

おまけに、私は頭でレシピを作るわけではなく

ある時ふっと降りてくる

インスピレーションでお茶を作ります。

そのため「季節ごとにお茶を作る」と

決めてしまうことに

どうしても違和感がありました。

 

そして何より、

天から授かった、我が子のような

定番のお茶たちを手放すのが

とても寂しくて...。

 

しかし同じことは続けられない、

どうしたらいいのだろうか...と

模索を続けました。

 

次に書くことは、

以上のことを踏まえて、

わたしたちが出した結論です。

 

1. 自然な変化を捉える

 

同じことを続けられないのであれば、

あえて変化の波に乗っていってみよう。

ある日、そう、ストンと腹落ちしました。

 

具体的には、

今まで守ってきた味のバランスをあえて変える

ことを、受け入れてみようと思います。

 

例えば...

 ・今いちばん旬の素材を際立たせたり

 ・不作だった薬草は、配合を控えめにしたり

 ・焙煎の深さを大胆に変えてみたり

 ・新たな素材をアクセントにいれてみたり...


つまりそれは、

年ごとの個性や季節のゆらぎに寄り添った

自然な変化を捉えるお茶づくり。

 

ですが、こうすることで

今までよりも

香りや味わいの多様さや

季節ごとの違いを感じることが多くなる

と思います。

 

もしかすると

「前とちょっと違う」と

感じることが増えるかもしれません。

 

しかし、その姿こそ

1日として同じ日がない自然と同じ。

 

「今度のお茶は、どんな雰囲気なんだろうか?」

とわくわくしていただき、

お茶の奥に、移ろう自然を探しにゆくー。

 

そんな新たなお茶の楽しみ方として

受け取っていただけたら嬉しいです。

 

2. 生産量に歩幅をあわせる


気候変動により、農産物の収穫量に、

大きな波が生じるようになっています。

 

わたしたちのよもぎ畑も同じく。

例えば去年は、春の長雨と夏の日照りで

よもぎの生産量は

前年度の半分まで激減しました。

 

なおかつ

- suu -のお茶には

さまざまな素材をブレンドしているので、

どれか一つでも不作だった場合には

そのブレンドは次シーズンまで欠品することが

予想されます。

 

たとえ同じ植物でも、

どこでどう育てられ

どのように採取され

どのように乾燥や保存がなされたかによって

味わいや香りはまったく異なるものになります。

 

足りないからといって

ネットでポチッとすれば済む話ではなく、

納得のいかない素材を使うことは

絶対にしません。


なので、

無い時は、無い。

作れない時は、作らない。

 

本来、ビジネスであれば、

力づくでも超えるべきこの壁を、

わたしたちはあえて受け止めていくと

決めました。

 

「いつでも同じお茶を買える、飲める」

という利便性は減りますが、

緩やかに季節を巡っていくお茶になるー

そう感じています。

 

3. 変わらず大切にすること

 

- suu - のすべてのお茶は、

自然からメッセージとともに

受け取ったものです。

 

変化と調和しつつも

そのインスピレーションは

これからも大切にしていきます。

 

ですので

月・星・太陽のよもぎ茶

それぞれのお茶の世界観やストーリー

主たる味わいや調合といった"軸"は

変わりません。

どうぞ、ご安心ください!

(商品名・パッケージにも変更はありません。)

 

・・・

こうして私は、私たちは、

いま一度、“お茶作りを続ける”

という選択をしました。

 

植物の力と人とのつながりを信じて、

“心に注ぐお茶”を、もう一度ー。

 

わたしたちの変化という冒険。

これからも、どうか

歩みを共にしてくださると嬉しいです。

(後半に続く...)

 

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